映画「ハプニング」 ★★★☆ | 「映画」に生きる

映画「ハプニング」 ★★★☆

ハプニングちらし2

ハプニングちらし

映画「ハプニング

THE HAPPENING


アメリカ(2008) 91分

監督:M・ナイト・シャマラン

出演:マーク・ウォールバーグ、ズーイー・デシャネル、ジョン・レグイザモ、アシュリー・サンチェス


《キャッチコピー》
人類は滅びたいのか。



作品情報

「シックス・センス」「サイン」の異才M・ナイト・シャマラン監督が贈る驚愕のミステリー・サスペンス。突如として自ら命を絶つという止めどない異常現象が地球規模で起こり、人々が為す術もなくパニックに陥っていくさまを生々しくかつ衝撃的に描く。主演は「ザ・シューター/極大射程」のマーク・ウォールバーグ。


ストーリー

ある日、ニューヨークのセントラルパークで人々が突然時が止まったかのように立ちつくし、中には唐突に自らの命を絶つという事態が発生。また、とある工事現場では作業員たちが次々とビルの屋上から身投げする不可解な惨事が起きていた。この異常現象はアメリカ全土へ拡がりをみせ、多数の犠牲者を生んでいく。判明しているのは、彼らはみな、死ぬ直前に言語と方向感覚を喪失していることだけだった。これら大事件の報せを受けたフィラデルフィアの高校教師エリオットらは、どこか安全な場所へ避難することにするのだが…。


ハプニング3


わずか91分


観客に与える情報

これでもかと削り落とした




状況や設定、必要な人物像やセリフ



何が必要で何が不要か


何が効果的でそうでないか


すべてを知り尽くしたシャマランが放つ究極の映画




突如はじまる人々の自殺シーン


なぜ起こったのかはわからない


みえない敵からただ逃げまくる



毒物テロ?


放射能漏れ?


政府の陰謀?


植物の反乱?





観客にも情報は知らせず


主人公と同じように


正体不明の恐怖に怯え逃げまどう体験をさせる




そのビジョンも未だかつてない体験の連続


見えない恐怖から逃げる主人公と


グロテスクで不条理な自殺



その対比から言いようのない恐怖が伝わる


ハプニング2


最終的に恐怖の正体は不明なままだが


主人公らがその恐怖体験という非日常の中で見つける大切な心もまた


単純でいてとてつもなくグッくる



ちょっとしたすれ違いの心や


愛する人への出会った頃の想い



大切なことは日常に埋れがちだが


非日常の中では浮き彫りになる



一面真っ白なバラの中から薄いピンクのバラは見つけにくいが


真っ赤なバラは一瞬で目にとまる


ハプニング


シャマラン監督は


映画の内容どうこうよりも


まっさらな観客を

自分の世界へと導くということに関しては


天才的な能力を持っている




それは監督自身の魅力ではなく


どうすれば観客を誘い込めて


違和感なく自分の考えに到達できるのかという


一種の洗脳のようにも感じる





そしてまた世界はシャマランに魅了されていく